開設して5年を経過した平成22年の秋頃、「やまぐち社会保険労務士事務所」さんから「介護雇用管理制度導入奨励金」を活用
した人事評価制度の導入についてご提案がありました。丁度、中だるみの状況を感じていた頃であり、そこを感じとられてのご提
案だったのでしょう。
そこで、人事評価の項目を当施設の経営理念に基づいた「当施設に必要とされる職員像とは何か」を議論しながら絞り込み
ました。実際に評価してみると、自己評価をすべて最高評価とした自分に甘い職員や逆に辛すぎる職員、また評価するユニット責任
者においても評価のバラツキが生じました。ユニット・リーダ会議にも山口先生にご参加いただき、バラツキの原因を検討するとと
もに評価者訓練も行いました。併せて人事評価をいきなり昇給や、賞与などの賃金に直結させることなく、まずは、人事評価の面談
制度にて「楽しく仕事をするためにはその職員に何が課題なのか、そのためにはどうするのか。」を明確にすることから始めるご指
導もいただきました。人事評価を「評価」と言うより「育成」に重点を置いたわけです。その職員の何が良いところなのか、どうし
たらもっと大きく成長してもらえるかを、ユニット・リーダーとその部下職員が面談する仕組み作りから取りかかりました。最初は
ギクシャクしていましたが、回を重ねるにつれ施設内での「風通し」が良くなり、職員の笑顔も多くなってきました。各職員にはっ
きりとした居場所や将来像が見えるようになってきたからだと思います。実際、最近は「辞めてもらいたくない職員」が辞めない
でくれています。
介護サービスの優劣は、職員個人における能力や資質に寄るところが大であり、何を評価するか、またそれを数字で表すこと
の難しい職場です。その点、経営理念の重要性を改めて理解できたことは意義深いことでした。当施設の人事評価・育成制度もここ
が最終点ではありません。今後とも、山口先生のご指導、ご助言をいただきながら、現状に応じた評価項目の見直し、賃金との連動
などを考慮したレベルアップを行い、利用者、その家族の皆様、そして地域社会に喜んでいただける施設作りを目指したいと考えて
おります。
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